【受賞】方山真朱 学内准教授が「令和7年度自治医科大学医学部優秀論文賞」を受賞 -EITの換気分布精度の謎を4D-CTで解明-
この度、方山真朱 学内准教授が、「令和7年度自治医科大学医学部優秀論文賞」を受賞いたしました。
受賞対象となった論文は、集中治療領域のトップジャーナルである Critical Care 誌(2024年)に掲載された研究です。
【研究のポイント】
これまで、ベッドサイドで肺の換気状況を可視化できるEIT(電気インピーダンス・トモグラフィー)は有用である一方、その画像が「実際に肺全体の空気の出入り(換気分布)」をどの程度正確に反映しているかは、十分に検証されていませんでした。
本研究では、呼吸による肺の動きを動画のように撮影できる最先端技術「4D-CT(動体追跡CT)」を用い、EIT画像と実際の肺換気量をボクセル単位で詳細に解析しました。その結果、EITがベルト装着部だけでなく、肺尖部から肺底部に至る「全肺の動的な換気分布」を極めて高い精度(相関係数 >0.9)で反映していることを世界で初めて実証しました。
この成果は、重症呼吸不全(ARDS)患者などにおけるEITモニタリングの信頼性を科学的に裏付けるものであり、より精密な人工呼吸管理への貢献が期待されます。

【論文情報】
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論文タイトル: Regional ventilation dynamics of electrical impedance tomography validated with four-dimensional computed tomography: single-center, prospective, observational study
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掲載誌: Critical Care (2024) 28:336
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